2015年01月20日 07:00
着物の魅力体感 「きらく場」25日オープン 三島
アットエス こち女
着物姿で多彩な体験や人との出会いを楽しめる空間を目指した「きらく場」が25日、三島市大場の呉服・洋品店「よしだ」の一角にオープンする。企画したのは、同店の吉田智美さん(47)。「堅苦しいと思われがちな着物に親しめる場所と機会を提供したい」と意気込んでいる。
店長の昌敏さんと結婚するまでは電機メーカーのエンジニアで、着物とはほとんど縁がなかった吉田さん。成人式もスーツで出席したほどだったが、呉服の仕事に携わることになり、必要に迫られて着付けを学んだ。
着物の息苦しさは着付けに慣れるうちに消え、好んで着るようになった。着心地の良さを実感するうちに、若い女性たちの「親から譲り受けた着物をたんすに眠らせたまま」「節目の日でも面倒で着ない」といった声に寂しさを感じるようになったという。
「何とか着物の魅力を伝えたい」。方策を求めて昨秋、多彩な年代や職業の人が課題解決について議論する県立大経営情報学部の国保祥子助教研究室主宰の「フューチャーセンター」を訪れた。「着物は1人だと気恥ずかしい」「仲間と一緒に着たい」−。参加した女子大学生の意見に、「きらく場」のアイデアがひらめいた。
三島市の女性起業家支援オフィス「コトリスラボ」のサポートで助成制度も学び、12平方メートルのスペース開設にこぎ着けた。名称には「気楽」「楽ちんに着る」「来て楽しむ」などの思いを込めた。
着物を着た人を対象に毎月、帯留めや手巻きずし作りなどの専門家を招いた講座を開く。15日にはプレイベントとして参加者を募り、着物で「大社の杜みしま」に出掛け、ランチを味わった。正式オープンの25日には風呂敷結びの基本講座を開く。吉田さんは「参加者と着物を来て東京五輪を見に行くのが夢」と話している。